天国の青い鳥
ルイを亡くして
暫くホントに 心に穴があいたみたいに。
確実に何かが欠けていて、足りなくて。
自分を遠くから見ているようなそんな感覚で。
それでも、ムスメが笑えば笑いかけ、仕事や家事をこなし。
ごはんを食べないジルを心配し。
日々することは沢山あって。
ムスメとジルがお昼寝をして、仕事も家事も終わってしまったある午後。
何もすることが無くなり、ダイニングチェアに座って泣きました。
ムスメを起こさないよう声を殺していたけれど
段々と抑えきれなくなってわんわん声をあげて。
多分、あれだけ大声で泣いたのはルイが旅立った日以来で。
ふと、背後に視線を感じて振り返ると、バルコニーに一羽の鳥がいて。
じっと、こちらを見ていました。
今まで見たことのない、綺麗な青い鳥。
バルコニーの手すりに鳥がとまっていたのすら、後にも先にもその時だけ。
びっくりして嗚咽も止まり、立ち上がり窓に顔を押し付けてもその鳥は飛びたたずに、
ただ、首を傾げて優しい眼差しで私を見ていました。
そのまあるい瞳を見ていたら。
この青い鳥はルイなのだと、そう思えて。
泣き笑いになってしまいました。
ムスメの泣く声がした途端、飛び去った青い鳥。
それからすぐ、ムスメとジルと、ルイの遺骨と仕事を連れて
一か月ほど実家へ帰省しました。
日々、家中ルイを探して歩くジルのためでもあり
私自身のためでもありました。
実家で妹とルイを思い涙ぐんでいた時。
庭の木にとまる青い鳥。
見て!あの青い鳥なの!
家で見たのもあの鳥なの!
ルイちゃん乗っけてきたのかなぁ。
もう飛べるのにね、ルイちゃんらしいね。
妹も泣き笑いになりました。
一ヶ月が過ぎ。
パパが実家に迎えに来た日はちょうどルイの四十九日。
ルイのために、庭で花を摘みました。
またいた、青い鳥!
久々の自宅は、少し空気が変わった気がして。
ルイは無事お空へ着いたのだと、そんな気がしました。
暫く、その青い鳥の事は忘れていたのだけど。
ある晩、ふとあの鳥の名前は
なんだったのだろうと調べると。
ルリという名で
天国の青い鳥と言われていると知りました。
涙がポロポロ落ちました。
ただ、二年前の春に青い鳥を三回見ただけ。
あれ以来、自宅でも実家でもあの青い鳥には会えないけれど。
ある人にとっては、ただの偶然も
見る人によっては不思議な奇跡に思えたり。
きっと信じれば、それが真実。
だからこそ私は
ルイたんからの優しいメッセージだと信じたいんだ。