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思い出せいり

ベッドを、新しくようと思って。
いや、いーたんの。

我が家のベッドルームには
サイズ違いのベッドがふたつ。
大きい方は、ルイたんがいたころから使ってるもの。
今は、いーたんが眠っている。

もう3年近く使っていることに気づき。
何度も洗濯しているから
クッションもクタクタ。

過去にも何度か買い換えようと
思ったんだけど。

そこに寝ていた ルイの姿を思い出すと
どうしても捨てられなかった。

昼間はリビングへ持っていき
ルイたんを寝かし。
ベッドからママを見ていた顔。

ルイがいなくなった後も。
キッチンから振り向くと、ルイがいるはずの空間が
がらんとしている事に堪えられなくて。

朝になると、誰もいないベッドを
リビングのルイたん定位置に置いてたっけ。

ルイズママです。

そういえば

昔、段々と歩けなくなったルイたんが使っていた

若かりしへっぽこも ちゃっかり乗っていたこのカートも



ムスメが生まれ

人間用の双子カートに代わり。

そして今

誰用かさっぱりわからない ワンコカートになった。

時は流れていて。

たぶん、ママは怖かったんだろうな。
ベッドがなくなってしまったら。

あのベッドから 
ママを見つめていたルイたんの姿
忘れちゃうんじゃないかって。

遺品整理は
思い出整理。

もう大丈夫かな。
あのベッドは
ママの中にちゃんとしまえたかな。

そうだね、新しいベッドを買おう。

今度は いーたんにぴったり合った
いーたんの為の ベッド。
遅くなっちゃった。ゴメンね。

あんたも??

うん。きっとルイたんは
あのベッドがなくったって
最高の寝心地、雲のベッドで
スピーィ、キュピーィ―!って鼻を鳴らして寝てる。

そう思おう。

ああ、でも、ちょっと泣くかも。

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